診断03 寒・熱

陰と陽のはたらきと役割

寒とは病態が寒性に傾くことをいい、実寒証と虚寒証の二つに分けられます。実寒証は、寒邪という身体に不必要な邪が停滞した場合です。例えば、寒い日に薄着でいたために風邪をひき、ゾクゾクした強い寒気、頭痛、鼻水、ふるえなどがあらわれたときを表実寒証といいます。また、ふだんは胃が丈夫で下痢などしたことのない人が、夏の暑い日だからといって、かき氷をたくさん食べ、その上冷たいビールなどを何杯も飲み、クーラーを効かせて腹を出して眠ったら、急に腹痛がして、水状の下痢をするでしょう。

これは寒邪が胃に停滞したということで、裏実寒証といいます。次に虚寒証というのは、身体にとって本来必要な陽気が虚する、つまり不足する事で、身体を暖める作用が落ちて生じる冷えということです。顔色が青白い、暖かいものを飲みたがる、寒がり、手足の冷え、排泄物の質が稀薄(サラサラの鼻水、水様便)、排泄物の臭気が少ないなどの症状があらわれます。

実熱証と虚熱証

熱とは病態が熱性に傾くことをいい、実熱証と虚熱証の二つに分けられます。実熱証とは熱邪と言う身体に不必要な邪が停滞した場合で、虚熱証とは身体の側に身体を冷やす作用のある陰液が減少したために、相対的に陽気が増大して熱感が生じたものです。